Normartです。
梅雨に入っていますが、皆様の地域はいかがでしょうか。
岐阜県、愛知県は雨模様ではありますが、まとまった雨があまり降っていない印象です。
8月に入って雨が続かなければいいのですが。。
今回はデンマークの家具デザイナーのPoul Kjærholm(ポール・ケアホルム)にまつわるお話です。
現在、東京・汐留美術館で「ポール・ケアホルム 時代を超えたミニマリズム」が開催中です。
過去のメルマガで配信したリサ・ラーソンやフィンランドガラスデザイン展など、北欧にまつわる展覧会が多く開催されていますよね。
デンマークの家具デザイナーの展覧会は数年前に東京で開催されていた「フィン・ユール展」に行ったことはありますが、それ以外行ったことがありません。
デンマークといえば家具大国としても知られているので、もっと様々なデザイナーやプロダクトにフォーカスした展覧会があってもいいと思うのですが。
そして今回のポール・ケアホルムにフォーカスした展覧会というのもとても珍しいと思います。
北欧好きでも彼の名を知らない方が多いような気がしますが、間違いなく北欧、デンマークデザインを語る上ではもっとも重要な人物の一人です。
ご存じない方のためにポール・ケアホルムについて少しご紹介しますね。
デンマーク北部のオスターヴロで生まれ、19歳で木工家具マイスターの資格を取得。その後、コペンハーゲン美術工芸学校で工業デザインを学びます。
これもあまり知られていませんが、在学中にはデンマーク家具デザインの第一人者として有名なハンス・J・ウェグナーの事務所で働いていました。
ウェグナーやモーエンセン、そしてフィン・ユールのように北欧家具といえば木工の印象がありますが、ポール・ケアホルムは違った素材から家具のデザインをアプローチしました。
当時としては新しい素材として注目を浴びていた「スチール」をはじめとした工業材料に彼は関心を持ちます。
工業材料がもつクールでシャープなデザインに、デンマークの木工技術の伝統を生かしたデザインを追求していきました。
北欧家具、というよりもドイツのバウハウスの影響を感じる作品が多い印象です。
デンマークの家具メーカー、フリッツハンセン社から発売されているPK22は彼の代表作であり、スチールと皮革を美しく融合させた名作です。
彼は残念ながら、51歳という若さでこの世を去りますが、約30年間もの間「名作」を数多く残しました。
優れた空間へのアプローチから、「家具の建築家」とも称され、20世紀中頃のデンマークデザイン黄金期における重要なデザイナーの一人とされています。
デンマークの家具デザイナーとしてはあまり類を見ない独自性のある人物です。
人とは違ったアプローチで功績を残すってすごいことですよね。
北欧家具の新しい方向性を彼が生み出したようにも感じます。
展覧会は9月16(日)まで開催されているので、関東圏の方は是非足を運んでみてください。
僕もスケジュールがあえば行こうと思っています。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました!