

2025.7.6
-お気に入りのArabiaヴィンテージ-
北欧を代表する食器ブランドと言えば、フィンランドのArabia食器。現行・ヴィンテージ問わず私も普段から愛用しています。
NormartとしてのArabiaの取扱いは以前よりもかなり少なくなりましたが、本当にお気に入りのデザインだけは買い付けています。
今回の買い付けでお気に入りのArabia食器たちがオンラインストアに揃いましたので、僕が特に好きな3つのシリーズをご紹介したいと思います!

-Ruska-
Designed by Ulla Procopé
1960-1999
「秋の紅葉」の意味を持つRuska。Arabiaヴィンテージ食器の代表格で、カップやプレートなど数多くの種類が製造されていたシリーズです。
茶色のみで素朴なカラーリングですが、茶色の中にも黄色に近い個体や黒に近い個体など、様々な色合いが存在します。
さらに茶色の釉薬の下にあえて鉄粉を混ぜて作られていたため、個体によって表情が異なるのが魅力です。
工業製品にも関わらず、まるで一点もののようなデザインに心惹かれます。
普段から愛用していますが、Sモデル(形状の名称)は丈夫で実用的。さらに茶色は和食器とも相性が良いので合わない食器はないと思います。
Ruskaの面白さはバックスタンプにもあります。ヴィンテージ食器のバックスタンプはつい確認してしまう部分ですが、Ruskaのバックスタンプは釉薬の上に押されているので、スポンジで擦ると消えてしまうほどデリケートなんです。
経年で既に消えてしまっているものもありますが、まだスタンプが残っているものにはより愛着が湧きます。

-Valencia-
Designed by Ulla Procopé
1960-2002
Arabiaの製品の中でも最も美しい作品との呼び声も高いValencia。
Arabia社としては美術部門最後のハンドペイントのシリーズとなりました。
手描きで塗られた深いコバルトブルーやエキゾチックなデザインは、南欧スペインのバレンシア地方をイメージしたと言われています。
眩しい太陽の日が降りぎ、見渡す限りの美しい海...そんな風景が浮かんできますね。
北欧ヴィンテージのアイテムには青色の釉薬が多く使われています。コバルトブルーからライトブルーまで、青と言っても様々な釉薬があります。
その中から特に美しい「青色」が使われている北欧ヴィンテージのシリーズを一つ選ぶとしたら、間違いなくこのValenciaを選びます。

-Fructus-
Designed by Gunvor Olin-Gronqvist
1965-1975
Valenciaと同様、Arabia社の美術部門で製造されたハンドペイントのシリーズです。形状はRuskaと同じSモデルが採用されています。
最初にFructusの柄を見たとき、その模様に引き込まれるように目を奪われたことを思い出します。りんごやざくろなどに見立てた果実の断面図が実に北欧らしいデフォルメされたように描かれています。
食器は基本的に使うものだと思っていますが、こちらは立てかけてアートとして眺めたくなるダイナミックな絵柄です。
茶色と黒いが使われ、どこか毒々しい雰囲気も伝わってきます。個体によって微妙に模様の濃淡などが異なるのもハンドペイントの醍醐味ですね。
Valenciaにもいえますが、Arabia社の美術部門で製造されたシリーズは、バックスタンプも手描きとなっていることが多いです。さらに実際に絵付けを担当したペインターのイニシャルも入ります。
バックスタンプに入る「ARABIA」のサインもペインターによって異なるのもヴィンテージアイテムならではです。

日本でもArabiaのヴィンテージ食器はとても人気が高く、お持ちの方もたくさんいらっしゃると思います。
当店はデンマークやスウェーデンのヴィンテージの取扱がメインですので、フィンランドのものはあまり取り扱っていませんが、ご紹介したように北欧を代表するブランドです。
オーナーである僕個人の目利きにはなりますが、国問わず素敵なデザインを皆様にお届けしていきたいと改めて感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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