デンマーク工芸博物館(現:デザインミュージアム・デンマーク)は18世紀にフレデリク王立病院として建てられました。
その後の1926年、デンマーク近代デザインの父と称されるコーア・クリントがこの建物をリノベーションし、博物館へと生まれ変わりました。
デザインミュージアムでは、ハンス・J・ウェグナーやアルネ・ヤコブセン、フィン・ユールの家具、ポール・ヘニングセンの照明やカイ・ボイスンの木工玩具などが部屋別に展示されています。
デンマークの工芸やデザインから、北欧を代表するデンマーク・デザインの歴史を知ることができます。
入口ではデンマークを代表する照明ブランド、ルイス・ポールセンの照明が出迎えてくれます。
北欧らしいグレア(眩しさ)を抑えた温かみのある灯りを見ていると優しい気持ちになれます。
ハンス・J・ウェグナーが自邸のために1962年にデザインされたペンダント、Pandul。
ペンダントの下についているハンドルで上げ下げすることにより、光の広がりを調整することができます。
光のコントロールをすることが、1年を通して寒くて暗い日が長く続く北欧らしいデザインです。
カイ・ボイスンの木製玩具。
こどもの知育玩具でもありながら、現在では大人のコレクターも多くいます。
優れたデザインは時代を経ても褪せることなく馴染みます。
デンマークの玩具といえば、日本でもおなじみのLEGO(レゴ)。
実はこの家具、すべてがレゴのブロックでできています。
よく見るとブロックの凹凸が見えます。
とてもユニークなアイテムです。
デンマークのデザインは、コーア・クリントが提唱した「リ・デザイン」を軸に生まれたものが多くあります。
昔からあるものにヒントを経て、現代風に解釈を見直し、再構築するという文化は多くのデザイナーに伝わっていきました。
日本の民藝や木工からもインスピレーションを受けているので、私たち日本人にとっても身近に感じる存在がデンマークのデザインなのです。
デザインミュージアムはニューハウンから北東へ徒歩約10分で行けるので、デンマーク観光の機会があれば訪れてみることをオススメします。