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北欧ヴィンテージ食器・雑貨のお店 Normart

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AzurとUmbra

2025.3.13

-プラムの小花-

デンマークを代表するデザイナー、Jens.H.Quistgaard。

彼が手掛けた作品は多いですが、特に日本で人気だと感じるシリーズがAzur(アズール)です。

1950年〜1960年のKronjyden(クロニーデン)というメーカーが存在していた時代に作られました。

Azur=「美しい石」という意味ですが、周りに散りばめられているのはプラムと言われていることから「プラム」とも呼ばれています。

カップ、プレート、クリーマー、ポットなど多くのアイテムで展開されていて、どのアイテムにも目一杯プラムの小花が散りばめられています。

どこか梅や桜の模様にも見え、和の雰囲気もあり、日本でも人気のシリーズとなっています。

模様には立体感があり、触るとポコポコと凹凸を感じます。

そしてなんとも言えないマットなターコイズ色の釉薬も人気の理由の一つです。

デンマークに訪れたときに初めて出会ったAzurの大きめのケーキスタンドを手持ちの荷物で大切に持ち帰ってきた記憶があります。

ヴィンテージ食器というとカップやプレートを一番に連想しますが、Azurはクリーマーやシュガーボウル、ポットやアッシュトレイなどいわゆる「脇役」であろうアイテムも人気が高いように思います。

同じシリーズでたくさんのアイテムが作られたということは、当時デンマークでも人気となったことが予想されますね。

そして製造から70年以上たった今、遠く離れた日本でも人気となっています。普遍的で色褪せることのない、タイムレスなデンマーク・デザインの片鱗を感じます。

-色違いのUmbra-

Azurは一般的に先述したようなマットなターコイズ色が主ですが、茶色の釉薬が掛けられた「Umbra」(アンブラ)と呼ばれるものも存在します。

以前はBrun Azurと呼ばれていたらしいですが、人気となり固有の名前が付けられたからか、いつの間にかUmbra=茶色と呼ばれるようになったそうです。

どちらも同じ模様なのですが、色が違うと全く別のシリーズのように見えてしまうのが不思議なくらい印象が変わります。

Azurには可愛らしさを感じますが、Umbraには「大人っぽい可愛いさ」を感じます。

決してAzurが大人っぽくないわけではなく、よりモダンで格好良さをUmbraからは感じます。

どちらの色もマットで質感は同じなので、同じテーブルに並べてもとても素敵な雰囲気になります。

最近ではAzurも価格が上がり、状態の良い物をそれなりの価格で見つけるのが難しくなってきましたが、それよりも良いコンディションのUmbraを見つけるのは難しい印象です。

Umbraも以前、デンマーク・コペンハーゲンのアンティークショップの外に置いてあるお値打ち品が集まっている箱の中にUmbraのディナープレート1枚入っていました。

多少の貫入が入っていたものの、驚くほどのプライス(とてもお値打ち)でしたので、お店にまだ入る前にそのプレートを抱えて店内に入ったことを思い出します。

今はオンラインでの買い付けで、AzurとUmbraはいつも同じディーラーさんから買い付けることが多いのですが、有りがたいことにグッドコンディションのものが多いです。

入荷してもすぐにSOUL'd OUTになるのでお店に在庫として残る時間は僅かなわけですが、お店としてもAzurとUmbraを持っていることがステータスのように感じるくらい、上質なグッドデザインだと思います。

-バックスタンプの話-

AzurのバックスタンプにはKronjydenの刻印をよく見かけます。

Kronjydenはデンマークのユトランド半島で1937年に創業した植木鉢を製造していた会社ですが、Jens.H.Quistgaardと仕事をすることになります。

その後1953年にKronjydenはNissenという会社に買収されてしまいますが、その頃の製品にはKronjydenとNissen両方の刻印が入っているものもあります。

AzurもUmbraも、僕がこれまで見たものはほとんどがKronjyden時代の刻印のものでした。

NissenはB&Gに買収され、1987年にはB&GもRoyal copenhagenに買収されます。

B&G以降の刻印のものはまず見たことがないのでこの時代にはすでに生産が終了されていたのでしょう。

QuistgaardがデザインしたReliefにはKronjyden、Nissen、B&Gそれぞれの刻印のものを見かけます。

バックスタンプでおおよその製造年代がわかったり、当時の企業の吸収合併などの歴史を知ることができます。

つい食器を裏返してしまう癖がある人も多いと思いますが、そこにはなんとも言えないロマンを感じますよね。

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